インデックス投資を始める前に、投資の税金について知ろう

投資の儲けにも税金がかかる


株式投資をはじめたすべての投資には、儲けた利益に対して一定の税金がかかります。これは不動産、FX、投資信託、債券、先物、国債などすべての投資に当てはまります。もちろんインデックス投資でもそれは同じです。

投資で儲けるためには税金のことについて最低限の理解をしておかないと、長い目で見ると大きく損してしまうことにもつながります。今や多くの人が知っているNISAやiDeCo(確定拠出型年金)と呼ばれるものは、こうした投資にかかる税金の優遇措置であり、投資にかかる税金負担を国が援助することで、多くの国民に投資を始めてもらおうということが狙いです。特にインデックス投資は長期投資であるため、NISAやiDeCoの活用が一つの肝と言えます。

なぜ、国は国民に投資をして欲しいのかというと、従来の様にただ入ってきたお金を銀行に貯金してたくさんため込んで、お金の流れを止めるよりも、企業の株を買って積極的に企業に投資をしてもらうことで、企業にお金が集まり、それが企業の経営活動の源泉となって、経済活動の活性化につながるからです。

お金は使われることで人から人へ回っていき、人は自分の手元にたくさんのお金が流れてくることで豊かさを感じ、そのお金を自分の目的のために使い、それがまた違う誰かの手に渡り、新たな経済活動を起こしていきます。ですから、国としてはとにかく国民にお金を回してほしいわけです。

今回の記事では投資にかかる税金について解説していきます。

株式投資の譲渡益にかかる税金

自分の持っている銘柄の株の売買に成功して、見事に利益が出たら嬉しいものですね。たとえば、1,000円の株を1,000株買い、短期間で株価が2,000円まで上昇したので売却したら、計算上は(2,000円-1,000円)×1,000株=100万円の利益となります。株式を他の投資家に売ったことで得た利益から、この利益を譲渡益と言います。でも、残念ですがこの譲渡益である100万円がまるまる利益になるわけではありません。そう、税金を引かれるからです。

株式の配当金をもらう場合も同じことがいえます。1株あたりの配当が50円の銘柄を10,000株保有していて、無事に権利確定して年1回の配当金をもらえることになれば、計算上は50円×10,000株=50万円の利益となります。でも、この50万円がまるまる利益になるわけではありません。やはり、税金を引かれるからです。

あなたが株式を売買して譲渡益や配当益を受け取った場合、 利益に対して20.315%の税金を納税する必要があります。税金は銘柄ごとの売買で計算されるわけではなく、1年間のトータルの売買で計算されます。

株式投資の場合は、利益に対して20.315%の税金が課税されます。その内訳は所得税が15.315%、住民税が5%です。この税率は株式の配当金に関しても同じで、配当金に対して20.315%の税金がかかります。配当金はこの税金が引かれた状態で受け取ります。

さて、この税率を適用すれば、例に挙げた100万円の譲渡益と、50万円の配当金はいくらになるでしょうか?この計算した額が実際の受け取り分になります。きっとその額に驚くことでしょう。

株式投資と特定口座について


多くの投資家の人が、投資で扱う口座を特定口座の源泉徴収ありに設定しています。なぜかというと、特定口座の源泉徴収ありに設定していれば、基本的に証券会社が税金の計算をして納税までしてくれるので何もすることはなく、申告漏れなどの心配がなく安心できるからです。

所定の手続きをして、上場株式等の配当金や分配金を受け入れるようにしておけば、特定口座内の譲渡損失と通算することができます。そうすると、確定申告をしなくても配当金の税金も源泉徴収された税金の還付を受けられます。

特定口座の源泉徴収あり以外は、1年間の取引のトータルで利益が出ている場合は確定申告をして納税する必要があります。だからあなたが株式投資で扱う口座を一般口座にしてしまうと、投資で儲けた分だけ確定申告を自分でしなければならないわけです。確定申告はもちろん自分でもできますが、慣れていないと難しい面もあります。

確定申告とはなにか


ここで確定申告とはなにか、簡単に解説します。改めて言うまでもないことですが、個人の所得には「所得税」がかかります。そのため、私たちは、税務署に対して「この1年で私はこれだけ所得があったので、それに応じてこれだけの所得税を払います」と申し出なければなりません。これが「確定申告」です。

個人事業主や、副業などで給与以外の収入があるサラリーマンが行なう「確定申告」は、1月1日から12月31日までの1年間の所得と所得税額を自分で申告する制度です。なんらかの商売をして1年間で利益(所得)が出た人は、所得税を納める必要があるので確定申告をすることになります。ちなみに所得にはさまざまな種類があり、所得税法では10種類に分けられています。

その中で、小売業やサービス業などを営む個人事業主が稼いだお金は「事業所得」に分類されます。事業所得の課税方法は「総合課税」といい、ほかの所得と損益通算して所得税額を計算します。本業以外の収入があった人は、すべての所得を合計してから所得税額を算出することになります

株式投資と特定口座・源泉徴収ありのデメリット


特定口座の源泉徴収ありは、面倒な税金の計算や確定申告をする必要がないというメリットがありますが、実はデメリットもあります。これは、投資で1社しか取引していない場合は良いのですが、複数の証券会社で取引している人には関係があります。

特定口座は、その証券会社内の取引でしか計算してくれません。つまり、その人にとって全ての証券会社での売買を計算すると損失でも、A社では利益でB社で損失になると、A社での取引には納税する必要があります。その人にとっては本当は納税する必要がなくても、A社の納税分損をすることになります。

ですから、投資をしていて証券口座も複数使っていて、儲けがたくさんある場合は確定申告を自分でしなければ損してしまう可能性が高いのです。

もうひとつ、特定口座・源泉徴収ありのデメリットがあります。それは、給与所得が年間2,000万円以下で、給与以外の所得が年間20万円以下の人の場合、払わなくてもいい税金を払ってしまうことです。

通常、年間利益が20万円以下の場合、源泉徴収なしを選択すれば税金を支払う必要はありませんが、源泉徴収ありにすると税金が自動で差し引かれてしまいます。

それでは、最大でいくら税金を払い過ぎてしまうのでしょうか?

答えは、およそ4万円(20万円×約20%)です。

さらに、ここには住民税が含まれていませんので、実際の損失額は4万円よりもっと少なくなります。

投資の損益通算のメリットと注意点


本当は納税しなくて良い分を還付する方法があります。それが確定申告をすることです。自分で確定申告をすることで、複数の証券会社で取引している分を損益通算できます。しかし、損益通算には注意も必要です。

損益通算とは、一定の所得の計算上損失が生じていた場合、他の所得からその損失金額を差し引くことができる制度です。例えば、事業所得に計算上生じた損失が-100、不動産所得が+200出ている場合を考えてみましょう。

損益通算しない場合、事業所得の所得金額は0となり、合計所得200に税率がかけられ税額が計算されます。一方、損益通算をした場合には、事業所得の計算上生じた損失-100を不動産所得から控除することができます。結果、合計所得が200-100=100になり、これに税率がかけられ税額が計算されます。所得額が高いほうが掛けられる税率が高くなるので、払う税金も安くなります。

このように、損益通算は一定の所得に損失が生じていた場合に他の所得と相殺することによって、納税額を減らす効果があります。確定申告では、毎年1月1日から12月31日までに得たすべての所得の金額を計算して、それに対する所得税を計算します。特定口座で納税までする場合は源泉分離課税になり、株式の譲渡益と仕事などの収入とは別の計算になります。それを確定申告をするときは総合課税になり、他の収入とも合算して計算されます。

損益通算で最も注意しなくてはいけないのが、総合課税になることでかえって株式の納税の還付以上に損をすることです。他の収入を合算されるということは、翌年の税金や健康保険料などに影響が出てきます。

下手をすれば申告したことによって課される税金や健康保険料が高くなる場合があるのです。さらに、他に支払わなければいけない税金などが増える可能性が出てきます。また、扶養に入っている場合は金額によって扶養から外れる可能性も出てきます。そのため、確定申告に慣れていない人は、損益通算はむやみに行わない方が良いのです。